2018年2月9日〜2月25日までの17日間に行われた、平昌冬季オリンピックをテレビ観戦して胸を熱くされた方も多いのではないでしょうか。私はスピードスケート女子団体パシュートを見てとても感動しました。日本が個の力だけでなく集の力でオランダに勝ち金メダルを手にしたのです。一選手は、「勝因は終盤の追い上げで、自分の力だけではなく、他の選手がうまい具合に自分につなげてくれた結果でした」、また、他の選手は「自分の力だけではオランダに及ぶことはできないが、日本のチームワークがあったからこそ勝つことができたと思う」、という意味のことを、インタビューで答えております。まさに個人の持っている力を、集の為に発揮したチーム力の勝利と言えます。
では、小さな子どもたちはどうでしょう。生まれてすぐに母親などの身近な人たちとの一対一の関係から始まり、生後6ヶ月頃には身近な人や周囲を認識していきます。保育所でも、保育者との一対一の関係から始まり個の力を育てていきますが、その後、保育者を介して他の子どもたちとの関わりを経験していきます。1歳頃の自我の芽生え、2歳頃の自立心の芽生え、そして3歳位になると集団の芽生えが生じてきます。5、6歳になると、仲間を意識して一緒に遊ぶ、物事を解決する、というように成長していきます。
当所は3歳未満児までの子どもを預かりますが、卒園して他園や幼稚園に行って、これまでに培ってきた個の力を十分に発揮して、集団の力を結集して欲しいものです。
曽師保育所を卒園された子どもたちが新たなステージで十分に個の力を発揮しつつ、楽しく集団生活を送ることができていければ、私たち保育者としてこれほど幸せなことはないと思います。
所長 日高博史