保育園からの 帰りは
ひろくんと お話をしながら
ゆっくり歩いて帰ります
家では 夕食の準備や
お風呂のことで 落ちついて
相手をできないからです
ひろくんは 楽しそうに
いっしょに 帰ってくれます
時間的には 短いけれど
平日に ひろくんのために
できることの ひとつです
(11ヶ月)
図書『ひろくんは』(発行日/2015.5.28 著者/曽師保育所 代表 猪俣美智子
発行社/銀の鈴社)
*保育士と保護者の間で、毎日やりとりしている連絡帳の中より、ひろくんのお父さんの記録です。(23ページ)
ある夏の夕方、私が道を歩いていると奏ちゃん(2歳7ヶ月)が立ち止まってにこにこしながら近づいてきて、並んで歩き始めました。手には摘んだ花と拾った小石を持っていました。
道路脇のプレハブの建物を指差して「工事現場」と教えるなり、スタスタと敷地内に走り寄り、溝のところで立ち止まって、渡れないことを確認していました。ハッとしていると「あぶないよ、気をつけてね」と、母親の掛け声。後ろからついてきていたのです。子どもの足の速さに驚き。
在園児の親子と知り、話しが弾みました。
「いつもこうなんですよ」と 母親、
「家は車で5分くらいのところですが、こうして1時間位かかって帰ります。この時間が私の幸せの一つです」と。
なるほど車の多い道ですが、歩道があるので少しは安心です。しばらくご一緒して私は別れました。
子ども自身が命を守る術を学ぶ大切さを、教えられました。
(猪俣美智子)