子どもの世界
年の瀬も押しせまった冬晴れの園庭に子どもたちは、大人の慌ただしさも何のその、三々五々に散らばって思い思いの遊びに余念がない。2歳児クラスの愛翔ちゃん「てんとう虫がおった」。次に、「かぶと虫がおった」。
「どこ?どこ?」と私は後について行く。隣との境の垣根。おもゃのスコップで木の葉を叩き落としながら、「カタツムリ」「だんご虫」と次々。そばにいた斗生ちゃん「蝶々」。あたかも目で追っているよう。
なかでも、私はかぶと虫に興味があったので、「かぶと虫、ちょうだい」と手のひらを出す。
あっさり「ないよ」と斗生ちゃんにかわされる。
園庭の垣根には、季節を追って小動物が遊んでいる。
子どもたちに季節はお構いなし。小動物はいつでも子どもたちの所へ遊びに来てくれるようだ。
猪俣美智子記