冬晴れの園庭に2歳児の子どもたちが、小さいバケツを手に手に持って遊んでいる。その中には砂、木の葉、花びら、抜いた草等、賑やかに入っている。
園庭に私が入ってくるなり、陽斗ちゃん(2歳10ヶ月)が、とんできて私の手をひき「こっちこっち」と垣根に連れて行く。そして「赤いの取って」と、指を指すのはソヨゴの小さい赤い実。他の子どもたちもいくつかバケツの中に見られ。ミニトマトと言っている、垣根の高いところにいくつか見える。手を伸ばして取ってやる。「もう無いよ」と言っても、「あれ」と指を指すのはサザンカの蕾。比較的奥の方にチラチラ見えるのを、手を伸ばしてどうにかとり、手のひらに乗せてあげると「いちごだ!」と、にっこり。かわいい手のひらにみずみずしいイチゴ、見紛うほど似ている。新鮮!届く限り他の子どもにもとってやり分けてやる。
ソヨゴの赤い実をミニトマト。サザンカの蕾をイチゴと呼ぶその感覚を共有して、子ども心にかえった幸せなひと時であった。
2023.12.13 写真/文 I.M