社会福祉法人 アイリス康友会 曽師保育所 令和4年3月1日完成 建築家 歌一洋 元近畿大学教授

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2013年12月18日(水)11時40分

紅玉(こうぎょく)

 ここ4、5年、スーパーの果物コーナーに紅玉という名のりんごにお目見えする。最初、「わぁー、会いたかったわ。お久しぶりね」と、感動の喜びを心のなかで、叫んだものだ。今年もさっそく恩恵にあずかっている。
 わたしのリンゴ好きは幼い頃の記憶にある。母の押す乳母車にのって、市場へ買い物。冬の暖かい日差しにうとうとしながらも、賑やかに立ち並んでいる店が珍しく、そのなかに、ひと際まっ赤に目立つりんご。「チレイネ(きれいね)、チレイネ」と幾度も繰りかえして言う私に、母は一つだけ買ってくれた。家に帰っても放さずに大事そうにかかえていた。その姿の写真も残っている。
 紅玉は米国ニューヨーク州の原産。日本には明治初年、開拓使によって導入され、長い間一斉を風靡し、大量に出回っていたが、つぎつぎに品種改良され、手に入らない時代が続き、今では、つがる、ジョナゴールド、王林、ふじ、デリシャス、国光等が、店頭に並んでいる。
 ちょうど紅玉の出回っているときを、成長してきた私には、リンゴのまっ赤な照りといい、酸味の利いた甘さと香りが、ソウルフードとなっている。
 りんごの季節となり、保育所の子どもたちが紅玉ではないが、おやつに食べているのを見ながら、懐かしく憶う。
 店頭に並ぶのには、まだまだその数は少ない。しかし紅玉の美味しさが見なおされているともいわれる。
  
  2013(平成25)年12月    
                                            猪俣美智子

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