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未桜ちゃん(2.5才) 綾音ちゃん(2.10才)$
敬佑ちゃん(2.7才) 滉大ちゃん(3.0才)
連日の猛暑。日の出前から盛んに「ジージー」「ジャージャー」とアブラゼミと、クマゼミの音が混じり合って鳴いている。当所は住宅街にあって、各庭には樹木がおおい茂っているので、蝉時雨がすごい。照りつける炎天下、蝉の鳴き声を心地よい音楽に聞こえる人、反対にうるさく聞こえる人がいるという話を思い出しながら、朝の出勤をする。
登園してきた子どもたちは、9時のおやつを済ませて水遊びに興じます。園長が蝉を木の幹から素手で捕まえてきたので、蝉の胴体を糸で結び、片方の糸の端はしっかり手で握って、蝉を飛ばして遊んだ私の記憶を頼りに、試みました。子どもたちは珍しそうに目で追うと、蝉が子どもの服に止まったり、頭に止まったりします。それを器で受け止めようとしている子もいました。蝉にとっては必死で逃げようともがいているかもしれません。とんだ迷惑です。
しかし、私たちは動物や昆虫たちと共存しているのです。身近にその動き回る蝉の姿を知ることは、貴重な体験になると思います。少し遊んだ後、「おうちにおかえり」と言って糸をほどいて飛び立たせました。一匹は隣の屋敷の木にとんでいき、もう一匹は園庭の日よけの内側に止まって、逃げようとしないでいつまでもいました。子どもたちと遊んで楽しかったのか、それともそこが涼しいのか、蝉のみが知る由です。
2016.8.12 写真:日高博史/文:猪俣美智子