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2010年11月11日(木)11:53おいものおじちゃん 保育所から家並みを抜けると、開けた畑がある。その畑の一部は芋畑。もう すでに当所の先発隊の子どもたちは、芋掘りをはじめている。芋掘りと云うよ り、いもほりごっこである。2〜3歳の子ども20人位。思い思いの色とりどり の服を着た子どもたちが芋を探したり集めたりしている様子は、畑に花が咲い ているかのようである。道行く人が立ち止まったり、車の運転手はゆっくり走 ったりして、微笑みを送っている。 一枚の絵のような光景の中に厚いひとかたまりの子どもの群れをみつける。 何と畑の主の「おじちゃん」が混じって芋掘りをして下さっている。近づくと もうすでに手に持っている芋を名指して子どもたちが「おいものおじちゃん」 と口々に、私に嬉しそうに教えるではないか。つまりおじちゃんが鍬で芋の先 っちょが見えるように掘り起こしてくれたのを、子どもたちが小さな手で「よ いしょ、よいしょ」と抜いた芋。それが「おいものおじちゃん」なのである。 「おじちゃんが、掘るよ。あっ、あった、あった、ここ、ここ」 おじちゃんの言葉に従って、一所懸命に力をいれて掘る。中々抜けなければ、 「もうちょい、掘ってあげるね」 すると上手に抜けて自分のもの。その喜びを私に伝える子どもの姿にこれまた 喜びのリレー。至福の一瞬である。 台風14号の影響で少し風が強いが何のその、掘られた芋は保育園に持ち帰っ て、3時のおやつに蒸かして食べ、お家にも持って帰って貰う。 「おいものおじちゃん」は、お家でどんな調理にされるでしょうか。 おいものおじちゃんありがとう。 平成22年10月29日 保育士 猪俣美智子
石川遼くん−イシカワジョークン 平成22年10月22日
1 ゴルフの石川遼くん
6月のある日、2歳児クラスの保育をする機会がありました。その際、某ファーストフード店でもらったクリアファイル(縦31cm×横22cm)を持って行き、子どもたちに見せたのです。両面に、プロゴルファーの石川遼選手が載っていて、その内の片面には石川選手がCMするファーストフードのハンバーガーも載っていました。 9割の子どもがハンバーガーに興味を示す中、Sちゃん(3歳2ヶ月)が突然「ア、イシカワジョークンダ!」と叫んだのです。
その後のSちゃんと保育士の会話―。 保育士 「いしかわじょーくん?」 Sちゃん「ウン、イシカワジョーウクンヨ」と言いながらゴルフのスイングをして見せる。 保育士 「あぁーゴルフの石川遼くん?」 Sちゃん「ウン、ゴルフのイシカワジョークン、カッコイイトヨ」 保育士 「何で知ってるの?」 Sちゃん「Sチャン、ミヤザキクウコウデミタモン」 保育士 「そう、すごいねー」
次の日、上空をANAの飛行機が通過し、保育士が他の子どもと話しているのを聞いたSちゃんとの会話 (宮崎空港から発着する飛行機が、当保育所の上空を通過する事が多い)―。 保育士 「あの飛行機は、青色だからアナ(ANA)だねー」と他の子どもに話しかけると、 Sちゃん「ソウ、アナ二イレルトヨ」アナ(穴)と聞こえ、突然側に来て話を始める。 保育士 「ん?アナ?」 Sちゃん「アナヨ、イシカワジョークンハ、アナニイレルト」 保育士 「あぁ、ゴルフ?石川遼くんは上手なの?」昨日の会話を思い出し話をする。 Sちゃん「ウン、ジョウズ」とゴルフのスイングをする Sちゃん「ジョークンハ、ゴルフジョウ二イルノ」 と話すと、Sちゃんは別の所へさっと移動し、遊び始めました。
それから数日後、机の上に石川遼選手が載っているクリアファイルを見つける。 Sちゃん「コレ(クリアファイル)カシテ」 保育士 「お友達も欲しがるからここで見るだけならいいよ」とファイルを渡す。 Sちゃん「イシカワジョークンダ、ココニハダレモオラント?」とファイルの中に顔を入れて探しているような仕草をする。 ファイルの両面に石川遼選手が載っていた為か、ファイルの中身にも石川選手が載っているよ うに思えたのでしょう。しばらくは、ファイルに頭を入れていたSちゃんでした。 Sちゃんを引き付ける石川遼選手の魅力とは何だろうか?という疑問を持ちながら日が経っていきました。
2 遼くんのお家はゴルフ場
7月3日 Sちゃんのお母さんと話す機会がありました。 保育士 「お母さん、Sちゃんは石川遼くんを宮崎空港で見たと言っていましたが、行ったのですか?」 お母さん「いいえ、私は連れて行ってないのですけど。でも遼くんが大好きみたいで、テレビにゴルフが映るとじっと見ていますよ」 保育士 「そうなんですか」 お母さん「マイケルジャクソンも好きみたいです」 保育士 「えー?マイケルジャクソンもですか?」 以前、石川選手を「ミヤザキクウコウデミタ」と教えてくれたSちゃん。おそらく宮崎空港に来た映像を、Sちゃんもその場でみたかのように教えてくれたようです。
7月の下旬 お昼寝前のSちゃんとの会話―。 Sちゃん「センセイノスキナモノナニ?」と近くに来て横に寝ながら尋ねる。 保育士 「チョコレートかな、Sちゃんは?」 Sちゃん「スープトゴハン」遼くんを好きだったはずなのに、と思いながら、 保育士 「そう、いいね。あ、遼くんは?」と聞く。 Sちゃん「ジョウクンハ、トォーィトコロニイルノ」とトーォイに力を入れて天井を指差す。 保育士 「遠い所ってどこ?」 Sちゃん「トオイゴルフジョウヨ、ジョウクンハ。イツモゴルフジョウニ、イルトヨ」 保育士 「えーいつもゴルフ場にいるの?」 Sちゃん「ウン、ゴルフジョウニ、オウチガアルト。ヒトガタクサンイルトヨ」 保育士 「ゴルフ場がお家なんだ」 Sちゃんが、テレビで見かける石川選手はよほどグリーン上が多いのでしょう。いつもその場所にいるので「お家」と思ったのではないでしょうか。お家と聞いた時、テレビ中継に映るゴルフ場の施設の事かな、石川選手が会見する場所かな、とSちゃんの目線で私なりに色々と考えてみました。
お昼寝の会話をした数日後、Sちゃんのお父さんと話をしました。石川選手に興味を示すようになったのはいつからなのか、という話です。いつからか、というのは分からないが、以前、プレゼントでおもちゃのゴルフセットをあげた所、よく遊ぶようになった。ある日、テレビでゴルフ中継があり、そこに石川選手が映っていたので石川遼くんよと教えた所、名前を覚え興味を示し始めたとの事でした。 たまたま、おもちゃのゴルフセットで遊ぶ機会があり、その体験が、テレビの中の石川遼選手に興味を示すきっかけになったと言えるようです。 (1歳児担当 日高由香子 記)
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