曽師保育所

2009年08月29日（土）11:10
げんこつやまのたぬきさん

♪　げんこつやまのたぬきさん　おっぱい飲んで　ねんねして
　　　　　　抱っこして　おんぶして　またあした

　小さいころ、上記の歌（日本わらべ歌）を聞いて手遊びやじゃんけんをして遊んだことのある方も多いのではないでしょうか。
赤組（0歳児クラス）では、食事前のひとときを、いろいろな手遊びをしています。その中の一つに、この「げんこつやまのたぬきさん」があります。通常、最後の「また明日」のところで、じゃんけんをするのですが、赤組の子どもたちは、まだじゃんけんが分かりませんし、チョキを作ることは難しくてまだ、出来ません。しかし、パーは出来ます。なので、真似が出来るようにいつもパーを出して、「タッチ！」と一人ひとりとタッチをしています。
　そのときの子どもたちの様子が、月齢によって違うので、順番にまとめてみました｡
　
○　私たち保育士が手遊びをしているのを笑って、見ている。
○　「タッチ！」と保育士が手を伸ばすと、片手を広げ、腕を伸ばす。
○　「またあした」と歌い終わったところで、片手をパーにして手を出したり、言葉が喋れる子どもは、
　　「タッチ！」と言って、保育士に向けて片手を出す。
○　「○○ちゃんと、タッチ。」と声掛けをすると、隣の椅子に座っている子どもとタッチをする。
○　げんこつやまのたぬきさん＝タッチと関連づいてきた子どもは、歌が始まるとすぐに先取りをして
　　「タッチ」と手を出す。
○　月齢の大きい子どもたちが「タッチ」としているのを月齢の小さい子どもたちが見て、真似して、手
　　をパーにして、伸ばす。
　
　子どもたちの発達や成長、人との触れ合いが見て取れる手遊びです。

　ある本には、「ふれること」は、人間として最も基礎となるコミュニケーションの形式、生きていくために満たされる必要のある、基本的ニーズだと、書かれていました｡
げんこつ山のたぬきさんのように、「タッチ」のたった一言、一瞬の触れ合いでも、お互いを肌で感じあうことができます｡そして、「タッチ」をしたときの子どもたちの表情は、満面の輝きであふれています｡
　触れ合うことは誰にでもすぐにできる簡単なこと｡愛情を持って、子どもたちと、触れ合っていきたいですね｡
　また、「まねる」は「学ぶ」の語源と言われています。赤ちゃんは、真似（=模倣）をして学んでいくのです。
　手遊びは、何も道具を使わずに出来る遊びの１つ。子どもたちと真似が出来るような簡単な手遊びをして、一緒に楽しんでいます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（0歳児担当　岩野三紀恵　記）

　　影ってなあーに？　－その３－

３　影ふみごっこ
①影は痛い？
　　秋になると子どもたちは自分の影をなぞったり、子ども同士で影踏み
をしたりするようになりました。その頃、試してみたことが１つ。子どもが保育士の影を踏んだ時に「痛い！」と声にだしてみました。その時の反応は、
・びっくりしたように保育士の顔と影を見比べるＢちゃん。
・「痛い！」と保育士が反応するのがおもしろく追いかけてくるＣちゃん。
・保育士の影を踏まないように飛び越し「痛くない？」と心配してくれるＤちゃん。
そのＤちゃん（３歳６ヶ月）の前で、他の子どもが保育士の影を踏むと「（先生が）痛いから踏まんで！」と怒り出しちょっとした口げんかになったときは「本当は痛くないのに試すような事をしてごめんね」と私自身の心が痛くなってしまいました。　
保育士が痛い、と反応した事で、子どもたちの影への関心は以前より深まったようでした。保育士が呼びかけると影ふみではなく、影追いかけをするようになり、自分の影を踏まれないように走って逃げます。時には日陰に入り、（Ａちゃん、Ｃちゃん、Ｄちゃん）「ほらー影ないよ！」と言った後、日なたに出て逃げる姿も見られました。戸外で、体を動かして遊ぶにはちょうど良い遊びで、寒さも忘れてしまいそうでした。

②「○○ちゃんの影とっていい？」
影ふみ、影追いかけが終わった時、ある子どもに「○○ちゃんの影とっていい？」と質問してみました。Ｂちゃん（３歳１ヶ月）「いや、だってとれんもん」と言ってる側で、Ｃちゃん（３歳２ヶ月）が「とれるよー」と答えました。「じゃ、とってみてよ」と返すと、影が映ってる地面（園庭の固めの土）を素手で掘り始めました。しばらく堀続け、手のひらに土がたまると「はい、影」と渡してくれました。すると他にも集まって来てＥちゃんが「うんとこしょ！（中腰で引っ張る真似）ってすればとれるよ、えーっと、芋堀りみたいにするのよ」と答える子どももいてびっくりしました。子どもたちが思う影は離れて存在出来ると思っていることを再確認したような感じでした。

おわりに
　どのように影の存在を知ることが出来るだろうかと工夫しながら、９ヶ月経ちました。今では影が怖いと言って、私の所に逃げてきたＡちゃんを始め、他の子どもたちも物や人に影のある事を知り、そして影ふみ、影追いかけごっこに発展して遊んでいる姿に私は拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（日高由香子　記）

その１は、こんにちはのコーナー、過去のごあいさつ　２００９年５月
その２は、同じく　２００９年６月にアクセスして下さい。