社会福祉法人 アイリス康友会 曽師保育所 社会福祉法人 アイリス康友会 曽師保育所 社会福祉法人 アイリス康友会 曽師保育所 社会福祉法人 アイリス康友会 曽師保育所
背景/保育所玄関脇壁画より 津江克美先生作

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2020年03月11日(水)15時08分

子どもにとっておばけとは?〜実践記録〜 

1.はじめに
 4月に2歳児クラス9名がスタートし、園庭で遊んでいると由香ちゃん(仮名2歳7ヶ月)が、フェンス越しに外の薄暗い竹藪の方を見ていました。何を見ているのか気になり傍に行き「何が見えるの?」と聞くと「おばけがいるよ」と言っていました。 
 その後も竹藪を見て「おばけがいる」と何度も言っていたので、子どもにとっておばけはどんなものだろうと興味を持ちました。私にとっておばけは「怖いもの」という印象があります。本当に子どもたちにとっても怖いものなのでしょうか?

2.おばけのしわざ  
 この事をきっかけに子ども達の日頃の様子を観察していると、色んな事を「おばけのしわざ」にしている事がありました。ある日部屋の鏡が曇っていることに子どもたちが気付き「おばけがした」と言ったり、保育士が「はさみがない」と言いながら探していると「おばけがしたっちゃない」と言ったり、2階に上がる時階段が結露していると、それに触り「ぬれてる。おばけがしたっちゃ」と言ったりしていました。その他、年間を通じて、壁の落書き、カップが風で転がる、テレビが映らない、オルガンがならない、タライが風で飛ばされる、窓ガラスに貼っていたセロファンが無くなる。
 ある時タライに張った水が天井に反射しキラキラと映っていると、大騒動していました。そのたび子どもたちと楽しんでいる自分がいました。

3.おばけをつくりました
①保育士が作ったおばけ
・ 黒い丸・・・・・・・・・「おばけの家」と言って壁に黒画用紙を大中小丸く切っ
            たものを壁に貼りました。
・ ポリ袋・・・・・・・・・黒、ピンク、青、緑、黄色のポリ袋に空気を入れて「お
            ばけを連れてきたよ」と言って見せ、触ったり、天井か
            ら吊るしたりしました。
・ FAXのインクリボン・・長さ30mくらいのものを天井や壁、至るところに張り
            めぐらし、「おばけの道だよ」と言いながら子どもたち
            の目の前で作ってみせました。
             子どもたちはクモの巣のようになった道を見て大喜び
             しました。

②自分のおばけ
 小さなビニール袋を使ってそれぞれのおばけを作りました。「おばけのお目々はいくつある?」と聞くと「2つ」と言いその後「お口」「お鼻が長い」と言いながら描いたり、ちぎった折り紙を貼ったり、それぞれ自分たちのおばけが出来ました。

③みんなで大きなおばけをつくりました。
 「みんなで大きなおばけをつくってみない?」と声を掛け、大きなポリ袋を準備し、子どもたちの話を聞きながら作っていきました。
 保育士「お目々はいくつある?大きい?小さい?」子ども4人「大き~ぃ」 子ども3人「小さ~ぃ」
 保育士「お目々は2つ?」子ども全員「うん」
 保育士「お口はある?」子ども「大き~ぃの」
 保育士「いくつ?」子ども全員「いっこ」
 保育士「お鼻はある?」子ども 「おおき~ぃの」
 保育士「1つ?」子ども「うん」
 保育士「耳は?」子ども全員「ある~」
 保育士「何色?」子ども「黄色」
 保育士「どこに貼ると?いくつ?」 子ども「ここ」と指を指す
 保育士「いっこ?」 子ども「もう1コ、ここやが」と反対側を指す
 保育士「あと何があるか?足は?手は?あるか?」子ども全員「ある~」
 保育士「足は?」子ども「大き~ぃ」
 保育士「いくつ?」子ども「2つ」
 保育士「わかった。お手々はいくつ?」子ども「2つ」
 保育士「あと何がある?」子ども「よーふく。オレンジのこんなの」と手で丸を作る
 保育士「どこにつけると?」子ども「お手々のところ」
 保育士「これでいい?」子ども「うん」
 保育士「これ何?洋服?」子ども「うん」
 出来上がった物を見せる。
 保育士「これでいい?」子ども全員「うん」
  子どもたちと楽しい会話の中で出来上がったお化けは新聞紙(足)や色画用紙を透けたポリ袋に貼りつけて膨らまし、目、鼻、口、耳、そして手、足のついた人間に近い物でした。(図参照)

4.おばけは友だち
 おばけは子どもたちにとって友だちとなり、何かをされたり、してあげたり、実際にいるのではないかと感じたこともありました。みんなで作ったおばけと一緒にテレビを見たり、体育あそびに参加したりしました。クリスマス会では「てぶくろ」(ウクライナ民話)の劇をし、その中にもポリ袋のおばけは、ごく当然のように参加して一役担いました。

5.おわりに
 「おばけ」とは「お化け」の事で狐、狸、猫などが化けて怪しい姿をしたものや普通では考えられないことをするものとされている事が多く、怖いものと意識されているように思われます。子どもたちの姿を見ていると不思議な物や出来事がおばけだったり、おばけがしたことだと感じている事を知りました。そこに大人の抱いている「怖い」という感情は含まれておらず、むしろ楽しみに感じていることに気付きました。私たち大人にとっておばけは「怖いもの」というイメージで子どもたちに接している為、子どもたちにとっても「怖いもの」となってしまうのではないでしょうか。けれど子どものように純粋な気持ちで接すればおばけは友だちなのでしょうね。
                                  2歳児担任 川畑かおり


図参照
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         みんなで作ったビニールのおばけ
         透明ビニール袋 ヨコ650×タテ500×厚さ0.025

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