2015年2月の9〜10日は寒く霜柱が園庭に立った。子どもたちは大はしゃぎ。前日に器に水を張っていたところ、見事に氷が出来ていた。裸足で遊ぶ子も多い。中で、遼太ちゃんは霜柱に魅せられて全力投球。はては、「霜柱いりませんか」と、お店やさんごっこ。足の指先が真っ赤になっている。少し高い土山に上り、足を長く伸ばして日に干している。「あったかい」と言う。燦々と降り注ぐ冬の日差しを浴びてご満悦。冷たさあってのこの温もり、得難い体験である。以来「お日さま」を意識するようになり、テラスで足を温めていることもたびたび。
この年の2月、3月の暖かい日、子どもたちは、車5台駐車できる当所の空き地で、チョークを使い、思い思いに絵を描く。丸、線、塗る、人の顔、先生の影を縁取るなど。例の遼太ちゃんは同じ場所を離れずに、一心不乱に大きく先ず丸を描いて、縁に髪の毛かと思う線を丸に沿って描いている。それから、目、鼻、口を描きいれた。そして、満足したかのように「お日さま」と言う。遼太ちゃんあってのお日さまに納得する。折から東の空には、お日さまが上っていて、彼を見守るかのように微笑んでいた。
今年も2歳児の子どもたち11名は、チョークのお絵描きを楽しんだ。
2019.3 猪俣美智子記